ごあいさつ


創作人形界では注目の展覧会となった「世界創作人形展」。
2009年、2010年に続き、今年は第3回の開催を迎えます。
出品作家同士の交流も、国境を越えてこの展覧会から生まれました。
昨年の東北大震災の時には、世界創作人形展に関わった作家のあいだで、家族と実家を津波で失った人形作家、イフンケ(小松剛也)を支援するために大きな支援の輪が広がり、ロシアではチャリティー人形展も開催されました。

本年は、日本ではこのイフンケを迎え日本人作家24名、支援したロシアの作家たちを始めとするアメリカ、ウクライナ、リトアニア、オランダ、オーストリアなど厳選された海外の作家18名、総勢46名による展示を予定しております。
今回は、日本で初紹介となるロシアやウクライナの新進作家たちの作品にご注目頂きたいと思います。社会主義崩壊20年を経て、庶民のあいだで根強く残ったイコンやアニミズムの影響が、新進作家たちの優れた技術と美意識をもって、人形に生き生きと映し出されています。

多神教の文化背景が、国境を越えて静かに響き合う時代が到来しているのかもしれません。
日本人作家との表現の相違を見ていくことも楽しみのひとつです。


第3回世界創作人形展
主催者・関係者一同